「修繕計画」の基礎知識1

「修繕計画」の基礎知識1

2017/02/10

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
こんにちは、USのKです。
2月7日から3日間、「経常(普通)修繕」と「計画修繕」ということで
お話させていただきましたが、今日からは「修繕計画」について話してみようかな
と思ってます。
「修繕計画」というと「長期修繕計画」が頭に浮かぶと思いますが、
「修繕計画」は目的に応じて「長期」「中期」「短期」と分けて考える必要があります。
まず、一番聞き覚えのある「長期修繕計画」から入りたいと思います。
目的は以前にも触れたとおり、「快適な住環境を確保し『資産価値の維持・向上を
図る』ために長期的観点から『修繕の内容、時期、費用等を計画する』こと」です。
では、どんなところを修繕するのかというと、当たり前ですが、「建物とその設備」
もう少し具体的にマンションの経年劣化について書くと以下のようになります。
 
  1)建物
    外壁、屋根、ルーフバルコニー等の屋上、バルコニー、廊下・階段、鉄部、
    その他金物類
  2)設備機器・配管類
    給・排水設備、ガス設備、電気設備、消防設備、エレベーター設備、
    機械式駐車場設備等 
  3)外構
    擁壁、植栽、舗装等
 
 以上について、一定年数が経過すると、日常の点検、修理、修繕(経常修繕)では
 回復するのに限界が生じてきます。
 また、結果的に費用も多額になる可能性があります。
 そのため、建物や設備の種類や材料または部位に応じて長期的な観点から
 計画的な予防修繕(保全)が必要になります。
 予防保全については「経常(普通)修繕」と「計画修繕」でもお話した通りです。
 
 4)改修・改良等のグレードアップの必要性
   社会環境の変化や住んでいる人の環境の変化に応じた改良
    使い勝手の低下、陳腐化に対する対応 
    例)バリアフリー化、省エネ化、耐震性能、防犯性能の向上
 5)関係法令の改正への対応
   耐震基準や昇降機など建築基準法施行令等の法改正
              
 これらを行うためには当然、多額の費用を要しますが、区分所有者(居住者)
 全体の共有財産ですから、「お金がないから」とか「自分のところは必要ない」と
 いうわけにいきません。
 そういう人は戸建て住宅に住めばよいと思ってしまうのですが・・・
 工事の都度、一時負担金として徴収する方法もありますが、このような問題を避ける
 ためにはあらかじめ耐用年数などから修繕の内容、時期、費用を推定し、工事計画、
 資金計画を立てる必要があり、それが修繕積立金となります。
 
では、どこが対象かはいまさら説明の必要はないと思いますが、
 1)原則として共用部分(法定共用部分・規約共用部分)になります。
   専有部分であっても管理組合で共同管理したほうがよいと判断された場合は
   規約改正を総会で承認され、管理規約に明記することで対象とすることが可能。
   例えば、給・排水管や電気、情報通信関係の配線など
 2)一定の周期に基づき実施される比較的大きな工事を対象とします。
   日常の清掃、点検、保守および軽微な修繕は管理費会計の経常修繕費から、
   長期修繕計画に基づく工事費は修繕積立金から支出します。
   修繕積立金を取り崩すには総会の承認が必要になります。
 
長くなりましたので、今日はここまでにします。
次回からは「長期修繕計画」の考え方について進めていこうと思います。

​#修繕計画 #修繕積立金 #ECO-ECO